TOP > お知らせ > WORLDCHEFSアジア会議 Asian Presidents’ Forum 2021

WORLDCHEFSアジア会議 Asian Presidents’ Forum 2021

CONTINENTAL MEETING

 8月14日、15時から世界司厨士協会連盟(WORLDCHEFS)のアジア地域会長会議がオンラインで開催されました。今回も昨年の世界会議同様にZOOMミーティングアプリを使い、アジア地域の加盟国21カ国の代表者が参加しました。日本からは宇都宮会長、沼尻海外交流委員長、岩崎前海外交流委員長、川端事務局長が参加。業務サポートとして、フランス見本市協会(PROMOSALONS)日本事務所代表である井田絵里佳氏と同協会広報部長の松田由希子氏も同席していただきました。
 会議の内容は、アジア地区会長のリック・ステファン氏の開会の挨拶と議題の説明に始まり、閉会の挨拶まで14項目におよびました。中でも今回の一番の注目は、リック・ステファン氏が来年退任するにあたり、後任のアジア地区会長についてです。
 リック氏は、開会の挨拶の中でインドネシアの会長Johannes Pratiwanggana氏の急逝を悼み、続くトーマス・ググラー会長は現在のコロナ禍という厳しい状況の中、会議が開催出来たことを喜び、これまで同様に常にポジティブでWORLDCHEFSとしての活動を続けることの必要性を力強く話しました。現在は世界規模でイベントのキャンセルや延期が続いているものの、2022年はアクティブに活動できることを願い、アブダビで開催される世界会議で各国の仲間と会えることを楽しみにしている、とのことでした。
 WORLDCHEFS本部からは、事務局長でもある理事のラグナー氏より、事業報告がありました。氏は、「コロナ禍である2020年から2022年にかけて、これまでの日常とは異なる新しい日常(New Normal)に対応することが世界司厨士協会連盟に求められている。」とし、ロックダウン、失業、メンタルヘルス等、困難な状況下ではあるが、そこでは教育育成認証、技術の向上等がより重要となり、そのことが結果としてシェフ自身を助けることにつながると説明を続けました。ラグナー氏によると、WORLDCHEFSはこれまで以上にデジタル技術を駆使し、オンラインでの可能性を開拓し、時代に対応していくということでした。具体的には、様々な意見交換の場を提供できるプラットフォームをオンライン上に構築し、調理技術や教育の拡充、外部組織と連携し雇用機会の創出に至るまで、会員との双方向のアクセスを可能にしています。イベントについてもライブストリーミング配信による中継やポッドキャスト等、これまでの活動を大きく変化させており、このようなWORLDCHEFSの各種コンテンツに各国のシェフの参加を求めました。
 続いて、2022年の世界会議の進捗や各種料理大会、審査員の養成、WORLDCHEFS認定校、ヤングシェフの活動等が各委員会から報告があり、会議終盤には新しくアジア地区会長に推薦されたウィルメン・レオン氏(Willment Leong)のプレゼンテーションとなりました。氏は、タイの料理アカデミーの創設者であり、タイシェフ協会副会長、WORLDCHEFSの国境なきシェフ団(World Chefs Without Borders)委員長、また国際料理大会の審査員として多方面に活躍しています。災害救済を目的としたイベントやボランティア活動を行う国境なきシェフ団の委員長としては、コロナ禍の2020年にタイ・バンコクで失業した100名以上のシェフとタクシー運転手を雇用し、4万食以上の温かなランチボックスを市民に提供しています。プレゼンテーションでは、各国の諸文化をリスペクトしつつ、シェフの社会的責任(CSR : Chef Social Responsibility)を果たすために、イベントの大小にかかわらず国を超え、各国と力を合わせた活動をしていくことを述べました。
 ウィルメン氏のアジア地区会長のデジタル投票では、参加国すべてが賛成となり新しいアジアのリーダーが誕生しました。 
 本年度より新しく海外交流委員長に就任した沼尻委員長は、「今回、初めてWORLDCHEFSアジア会議にZOOMで参加させていただきました。やはり、近年、急速にアジアもIT化が進み、テクノロジーを駆使していることや、コロナ終息後にフォーカスし、ニューノーマルを前面に出していることが分かりました。今するべきことをきちんととらえること。私たちがさらに発展するために、また、新たに若い世代を取り込むために何をすべきか。前委員長の岩崎さんから引継ぎ、今後、学び、努力し、そして皆様と協会をより良い方向に進めて行けるように頑張りたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。」と、感想をいただきました。
 コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言下でしたが、約2時間におよぶ会議は無事に終了し、アジア地域の最新情報を共有することができた有意義な会議となりました。


ウェスティンホテル東京(東京都目黒区)にて

会議に参加したメンバー

WORLDCHEFSトーマス・ググラー会長による冒頭の挨拶

事務局長のラグナー氏による事業報告

中東・アフリカ地区会長のアンディ氏から世界会議の進捗報告

ルドルフ氏からジャッジセミナーについての報告

アンドレアス氏からWORLDCHEFS認定校の現状報告

ジャスパー氏から各地域のヤングシェフクラブ設立の報告

リック氏から後任のアジア地区会長候補の紹介

ウィルメン氏から国境なきシェフ団の活動報告

ウィルメン氏のプレゼンテーション「新しい生活様式」について

アジア会議に参加したWORLDCHEFS役員の皆さん